Ratchet Systemにはそれぞれに独自の特徴がありますが、歯が同時に噛み合い、点荷重が非常に少なくなるという点においては全てのRatchet Systemで共通しており、これが象徴的な信頼性を発揮しています。それぞれの構造の違いや、共通する特徴をご覧ください。
RATCHET テクノロジーの概要
全てのラチェットにはそれぞれに目的があります。DT Swiss フリーハブシステムについて、詳細をご覧ください。
搭載されているモデル
ラチェットDEG
特許出願中のラチェットDEGシステムは、高い信頼性を維持しながら、より細かな噛み合い角度を達成するように設計されています。
Ratchet EXP
Ratchet EXPは、DT Swissフリーハブシステムの中で最も軽量なフリーハブ システムです。そのため、DT Swiss製品の中でも最高グレードの製品に搭載されています。
ratchet exp os
Ratchet EXP OSは、DT Swissの最も軽量なハイブリッド フリーハブ システムで、240ハイブリッド ハブに搭載されています。
Ratchet
Ratchet Systemは、このタイプのフリーハブ システムとして、DT Swissの最初の製品でした。実績あるこのシステムは、ミドルレンジの製品に搭載されています。
Ratchet LN
Ratchet LNは、DT Swissのエントリーレベルのラチェットシステムで、比較的 低価格帯の製品に搭載されています。Ratchet LNは、従来のポール式フリーハブ システムの代替品として位置付けられています。
さまざまなラチェットシステムを見る
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フリーハブシステム
ラチェットDEG
ラチェットDEGシステムは、従来のラチェットシステムと同様の原理を用いていますが、より大きなサイズの90Tラチェットを使用するために、各コンポーネントのサイズが最適化されています。
Ratchet EXP
Ratchet EXPは、ラチェットとネジ付きリングを一体化することで部品点数を少なく抑えており、これにより軽量化を実現しています。
また、Ratchet EXPはガイドスプリングを1つだけとすることで、より正確な噛み合いを保証しています。
Ratchet EXPについて詳しくはこちら:
ratchet exp os
Ratchet EXP OSは、Ratchet EXPシステムの利点はそのままに、オーバーサイズのベアリングと大きなネジ付きリングを採用することで、eMTBの高い負荷に対応しています。ハイブリッドハブにも採用されているRatchet Systemと比べて、Ratchet EXP OSはより軽量で高精度です。
Ratchet
Ratchet Systemは、ラチェッを適切な位置に調整し保つため、2つの円錐形スプリングを使用しており、Ratchet EXPよりも僅かに重量があります。
Ratchet LN
Ratchet LNは、Ratchet Systemと同じ内部パーツを使用しています。Ratchet Systemとの違いは、フリーハブボディーに配置されたシール部分です。
フリーハブボディー
ラチェットDEG
ラチェットDEGフリーハブボディは、最適化されたDEGラチェットのサイズに合わせてインターフェース径が大きくなっているため、ラチェットDEG搭載ハブにのみ適合します。シールはフリーハブ上にあります。
Ratchet EXP
Ratchet EXPフリーハブボディーはマット仕上げで、仕様は2種類 存在します。1つは180ハブ用のセラミック ベアリング仕様で、もう1つは240ハブ用のスチール ベアリング仕様です。Ratchet EXPのシールはハブシェル側に配置されており、フリーハブボディー側にはシールはありません。
ratchet exp os
Ratchet EXP OSフリーハブボディーは、高強度で優れた耐久性を持つ特殊なスチールで作られています。Ratchet EXPと同様に、Ratchet EXP OSのシールはハブシェル側に配置されており、フリーハブボディー側にはシールはありません。これらのフリーハブボディーには、青色で製品名が書かれているため、簡単に識別することができます。
Ratchet
Ratchet Systemハブのフリーハブボディーは光沢仕上げです。シールはハブシェル側に配置されており、フリーハブボディー側にはシールはありません。
Ratchet LN
Ratchet LNは、他のシステムとは異なりフリーハブボディー側にシールがあります(370ハブボディにはシールがないため)。このため、ポール式フリーハブ システムからRatchet LNに変換することができます。
ベアリング間の距離
ラチェットDEG
クラシックなラチェットよりもベアリング間隔が広いラチェットDEGシステムは、スレッドリングにベアリングを内蔵したラチェットEXPとは異なり、ドライブ側のベアリングがスレッドリング横に配置されています。ラチェットDEGハブは、その革新的な構造により、スレッドリングを取り外す必要がないため、特別な工具なしでベアリングを交換することが可能です。
Ratchet EXP
ベアリング間の距離は、フリーハブシステムのサイズによって限定されます。駆動側のベアリングをRatchet EXPフリーハブシステムのネジ付きリング内に組み込むことで、ベアリング間の距離を拡げることが可能となり、その結果、アクスルの剛性が15%向上しました。システムを可能な限り軽量化するため、アクスルの中央にはさらなる加工が施されています。
ratchet exp os
Ratchet EXP OSは、駆動側のベアリングをネジ付きリング内に組み込むことで、Ratchet EXPと同様に15%のアクスル剛性向上を実現しています。アクスルは、FEM解析を用いてさらに強化されており、eMTB特有の高負荷でのテンションのピークを抑え、より良い応力分布を実現しています。
Ratchet
RatchetおよびRatchet LNシステムでは、駆動側のベアリングがネジ付きリングの隣に配置されるため、Ratchet EXPシステムに比べてベアリング間の距離が狭くなっています。Ratchet SystemとRatchet EXPハブのアクスルは、軽量化のため加工が施されています。
Ratchet LN
Ratchet LNを構成する部品の配置は、Ratchet Systemと同じです。Ratchet LNのアクスルは、重量は重くなりますが、Ratchet Systemと違って製造過程が多少シンプルで機械加工されていません。
エンゲージメント(噛み合わせ)
ラチェットDEG
ラチェットDEGシステムと新しいハブボディによって最適化されたサイズの90Tスチールラチェットを取り付けることが可能になり、噛み合い角4°を実現。DEGラチェットは、ラチェットDEGハブにのみ適合します。
Ratchet EXP
Ratchet EXPシステムのラチェットの歯数は36または54です。従来のRatchet Systemとの違いは、フリーボディー側のラチェットにストレートなスプリング用のシートがあることです。また、Ratchet EXPでは、ラチェットとネジ付きリングを一体化することで部品点数を少なく抑えており、これによりフリーハブシステムの軽量化を実現しています。
ratchet exp os
Ratchet EXPシステムをベースにしたRatchet EXP OSは、Ratchet EXPと同様に部品点数が少なく、システムの軽量化とメンテナンスの容易さを実現しています。歯が噛み合うエンゲージメント角が小さい30Tを採用することで、モーターによって一定量クランクが動くeMTBでは、わずかながら利点をもたらします。
Ratchet
Ratchet Systemを搭載したハブのラチェットは、36の歯で構成されており、歯数は18、24、36 SL、54 SLに変更することができます。「SL」とは、Super Lightの略称であり、ラチェットを軽量化するために追加工が施されていることを意味します。
Ratchet LN
Ratchet Systemを搭載したハブのラチェットは、18の歯で構成されており、24、36 SL、54 SLに変更することができます。「SL」とは、Super Lightの略称であり、ラチェットを軽量化するために追加工が施されていることを意味します。